Sunday, September 30, 2012

クルー任務終了



オーナーが来季のチャーターをどうしようかと訊いてくる前に、私達は既に今季で船を下りる事に決めていた。彼自身迷っているみたいだったので、そちらはどうしたいのかと逆に尋ねた。すると、このままチャーターを続けるのであればもっとブッキングが必要。そうでないなら船を売るか、あるいは自分で使うようにしたいと答えてきた。でも、その後ですぐまた、現時点で来季は4件チャーターが入っているので悪くない、なんて気持が揺れ動いている様子。本来なら10件くらいは入ってないとねぇ。何はともあれ、ボブは来シーズンもチャーターをするのであればそれなりのメインテナンスをしなければいけないし、色々と試算した上で数字を出して、私達の気持もオーナーに伝えた。

結果、彼も納得して私達が船を下りる事を快諾し、もし別の船でクルーとして働く時にレファレンスが必要であれば喜んで推薦するとも言ってくれた。オーナーは、しばらく前に経営していた救急病院を売った後に、相手に要望されてコンサルタントとして仕事をしていたが、今回新しい仕事をする事になったとの事。それで時間があまりないし、船をどうするかはしばらく考えたい。取り敢えず整備は何もするなと言われた。異存なしです。まぁ、そういう具合に話が決まり、やっと開放されました。地元のドラフトビールで乾杯&万歳!まずは2年間も放っておいた自分達の船をしっかり整備したいと思います。

Friday, September 28, 2012

そう来たか。。

先日、最後のチャーターの経費報告とクルーへの2週間分の支払請求書を送った。すると、オーナーから、今回のチャーター費用がいつもより高すぎないかと聞いて来た。それに答えて、「このゲストは割り引き無しのフルボードの上、半年前には入金済みだった。グレナダからセントビンセントへは長距離であり燃料費が多少高くついた。それに、スタンドアップボードの10日間のレンタル料金も別途かかった」と再度説明した上、「むしろバージン諸島での似たようなチャーターケースよりいくらか安かった」と返信した。

それに対してオーナーは、今季もチャーターが期待したよりも少なく、経費がかさんでフラストレーションが溜まっていると言う。チャーターが少ないというのは確かにその通りで、私達も11月から5月までのハイシーズンの間に、月に2、3の割でチャーターがあれば良いと思っていたが、去年も今年もそれには届かなかった。

でも、私達にはその理由がかなり前から判っていた。いくつかの原因があるが、一番の理由は、Bahiaというモデルの需要が少ない事であろう。もちろん例外も多くあるが、一般的に新しいチャーター船の寿命は長くても7年といわれ、年々新しいモデルが登場する。2004年のモデルの上、お客さんが要望するエレクトリックトイレは無い、ウォーターメーカーもアイスメーカーも無いとないないずくし。おまけにサロンのテーブルと椅子のデザインが、見た目は良いが機能的でなく座り心地が悪い事この上ない等、他にも欠点がある。バージン諸島では、他のBahiaも苦戦している。

クルーに出来る事には限度がある。オーナーは医者だからか、チャータービジネスに必要なセンスがあまり無い。彼が立ち入って来たせいでせっかくのチャーターチャンスが潰れてしまった事も何度かある。それでも他の船のように全てをクルーに任せる事をしないので、ブローカーもクルーとオーナー両方にコンタクトせねばならず、時間が余計にかかるというやりづらさも多々あった。

それでも、私達が彼のクルーとして船を任されてからくたびれていた船も息を吹き返し、それまでよりチャーターも多くなった事は確かだ。

そして、オーナーから尋ねられた。来季のチャーターについてどう思うかと。。

Wednesday, September 26, 2012

3時起き

自民党総裁選の結果が気になり、朝の3時に起きた。コンピューターを開き、インターネットでニュースを見ると、決選投票で安倍晋三元総理が逆転勝ち!とあった。ホッとして胸を撫でおろした。

その後の谷垣総裁のスピーチが良かった。若手を多く起用して活躍の場を与えたのに、逆に裏切りに合い、次期首相の座を目前で諦めなければならなかった彼は、それでも党の分裂を防ぎ自民党をまとめあげたという清々しい表情でしたね。立派です。

さて、安倍氏はこれからが大変です。国民から愛想を尽かされても、潔く首相の座を降りる事をせず、解散を延ばしに延ばしている野田民主党を何とか追い出す事から始めなければいけないし、彼らに壊された日本を建て直すだけでも大仕事。マイナスからのスタートはきつい。それに朝鮮系が7、8割いるという大手マスゴミもまた安倍叩きをするでしょう。ここは私達、真の日本人が日本国を愛し、お国のために役立つぞという気概を持ったリーダー達をバックアップするしかありません。

ここ数日、午後になると、雷を伴う大雨が降っています。雷は苦手。耳をふさぎながらボートの整備を続けています。

Sunday, September 23, 2012

3週間のアパート暮らし

2年間も放って置いた愛艇は、整備の必要個所が山盛り。マストを支えるワイヤーを取り替える時期に来ており、リギング(Rigging)の専門家と来週中に再度打ち合わせの予定。船内の古びたテーブルを磨いてもらったり、コックピット用に新しくミニテーブルを作ってくれるウッドワーカー達とは、先週話し合っているが、これも詳細を詰める必要あり。そして、バッテーリーばかり消耗する冷蔵庫のコンプレッサーも、愛艇の最初の持ち主の時から合わせて20年は使っているので、こちらも交換要という事で、それをやってくれる人とコンタクトを取ろうとしているが、まだ連絡が付かずにいる。明日の月曜日が祭日に当たり今週末は3連休。よって早くても火曜日まで待つ事になる。

その間に引き続きふたりでせっせとコックピット内のニス剥がしを続けている。毎日汗と埃にまみれて帰る身体には、冷房付きのアパートが有り難い。嬉しい事に今回も去年と同じ部屋。ここはミニスーパーの2階にあるふた部屋のうちの一つで、窓からChaguaramasの湾内を眺める事ができる。今年は3週間予約してあるが、その間に整備が完了するかは甚だ疑問だが、取りあえず出来るだけ頑張るしかない。そんなアパートで私達を待っているのが、冷たいビールと初めて買った箱入り白ワイン。トロピカルアイランドでの朝8時半から夕方5時半までの肉体労働は、さすがに疲れますが、メンタル的にはストレスが少なくていい。アパート代の元を取るためという訳でもないが、大抵お昼ご飯も買ってきて涼しいアパートで食べる。今年はMacBook Proを買ったので、こちらPower Boatsのワイファイも去年より繋がり具合が良くて嬉しい。








Friday, September 21, 2012

やっぱり違う。

仕事用の船を陸に揚げて、必要な作業をある程度終えたので、やっと自分達の船の整備に取りかかれる。昨日いち日カタマラン船を見ずに済んだボブは、昨夜は気持ち良く眠れたようだ。

バッテリー、エンジン、舵、シーコックなどのチェックをした後、ボロボロになりかけているコックピット内のチーク材のニス剥がしに取り掛かった。ヒートガンを当てて溶け始めたニスを削ぎ落とす作業は、単純ながら時間がかかる。まだ船を覆うカバーが掛かった中でのこの作業は、ただでさえ暑いボートヤードなので、汗が玉になって落ちてくる。

その後、サンドペーパーで表面を磨くので、埃っぽい事この上ない。時々掃除機をかけながら、少しずつ進んで行く。何とか目標の半分をこなして、午後5時半に作業終了。身体はグッタリ。それでも愛艇の整備となると気持ちが違うものです。

Wednesday, September 19, 2012

陸揚げ終了

オーナーにはまだ伝えてませんが、今回でこのチャーター船を下りる予定なので、無事にボートヤードに陸揚げしてひと安心です。馴染みのピーク・ヨット・サービスの従業員達とは一年ぶりの再会。トリニダードはカリブ海の他の島々とはひと味違う、何と言うか根底にある人間性の良さを感じさせてくれる国です。大声で喋らない、目に余る自己主張をしないなど、ある意味日本人と通じる謙虚な価値観があるように感じられて居心地がいいです。少しアメリカナイズされた自分が日本人の伝統的価値観に戻らなければと思わされる有り難い場所です。







Tuesday, September 18, 2012

オフライン・ページ

最近、オフライン・ページというアップル社のアプリを重宝している。24時間インターネットを使える環境にないので、WiFiが使える時に、読みたいブログやニュースのウェブサイトを出来るだけ保存しておき、後でゆっくり読むというスタイルである。グレナダからトリニダードへの12時間余りの航海中にも、出発前にそうやって保存した記事を読みまくった。

特にここの所、我が国の領土である石垣島の尖閣諸島を、「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」と分捕りを狙う中国の盗人行動がエスカレートとしているので、その関係のブログ記事から目が離せない。NHKや朝日新聞に代表される大手マスコミは、呆れかえるほど中国や朝鮮半島の目線でしか報道しないようなので、イライラがつのる。

反日左翼を必要以上に持ち上げて民主党に政権を取らせた彼らは、自民党の政権奪取の妨害をし、唯一、領土保全の具体的な案を出している安倍晋三元総理をまたしても叩き始めたようだ。誰が本当に日本や日本国民の事を思っているのか、有権者はそこを見抜かないと我が祖国は危うい。外国に住んでみて、日本はなんて良い国だろうと思うようになった。戦後の日教組に自虐史観を埋め込まれた、私を含む多くの日本人に、もっと祖国を誇る行動をとって欲しいと思う今日この頃である。

Sunday, September 16, 2012

今年は予定通りトリニダードに到着できた。

朝4時に起床して、まだ暗い中5時にグレナダを離れた。穏やかな海。メインセールだけ揚げて、最初から機走です。去年、トリニダードへ出発した時は十分に風があり、最初から帆を揚げ絶好調でスタートしたものの、その後が大変だったので(過去ブログはこちら)、今回は90マイルずっと機走するつもりだ。

出発後1時間ほどして朝日が登った。夕陽は良く眺めるが、日章旗のライジング・サンを拝む事は夜通し走る時や早起きをしない限りなかなか拝めない。



快晴の下、所要時間12時間半でトリニダードのシャガラマズに着いた。このルートをこんな穏やかさで走った事はない。途中、イルカの群れとも遭遇してラッキー!








おまけに、久しぶりのトローリングでマヒマヒ(シイラ)も釣れた。最初のはちょっと小ぶり。続けて、15分後にもう一匹!ところが、こちらはボートに上げたその直後に逃げられてしまった。。こっちの方がもっと大きかったのに残念。多分、自然の神様が「一匹で十分でしょ」と思ったのでしょう。その通りで、二人の夕食には十分な量でした。



途中、行き交ったスポーツフィッシャー。かなりのスピードで私達と反対側に走って行きました。海が穏やかなればこそですね。



トリニダードの近づくにつれ、潮の流れが何度も変わる。この辺りは他のカリブ海の島々とは様子がちょっと違う。穏やかな海でも到着30分前あたりのBocaと呼ばれるエリアは波立っている。




6時で閉まるイミグレーションには、ぎりぎりで間に合った。その後に行った入国管理局のオフィスは、ここシャガラマズが商業港なので24時間オープン。今回は何事もなく無事に到着できて言う事なしです。


Friday, September 14, 2012

アイランド・ツァー

スタンド・アップ・パドル・ボードを返却した帰りに、そのままグレナダ島内ツァーに連れていってもらった。私は観光と言ってもガイドブックで予備知識を仕入れてというタイプではないので、車に乗って外を眺めているだけで十分だったが、運転手さんはやはり名所なる場所に連れて行ってくれたので5時間程かかった。それでも島の半分も回ったかどうか。どこでもそうだろうけれど、地域によって豪華な屋敷もあれば、貧しい暮らしぶりの家々があったりする。長いドライブにちょっと疲れはしたけど、緑豊かな起伏のあるグレナダの美しい景色を堪能した。

カリブの島の観光というと、まず滝やレインフォーレストが挙げられる。今回は思いがけずモナモンキーというオナガザル達とも遭遇した。ランチを食べた漁師町は毎週金曜日の夕方ににフィッシュフライという屋台が立ち並ぶ事で有名みたいなので一度来たかった。ただ、想像していたより少しさびれており、あまり目つきの良くない人達がいたりして、昼間に来て良かったと思った。運転手さんが連れて行ってくれたKelly's Hot Spotというレストランのマグロの煮付けは、もしかしてお醤油を使っているのかなという風味で、美味しい味付けでした。その近くにあるナツメグ加工工場のミニツァーが楽しかった。スパイスアイランドと呼ばれ、国旗のデザインにも登場するナツメグは、グレナダでは重要な位置を占めているようです。














大好きなスターフルーツが実っている木を発見。初めて見るので感激でした。

さて、明日はグレナダを離れ、最終目的地のトリニダードへ出発します。只今、午後9時半近く。明朝は4時か5時に出発予定なので、ここでコンピューターを閉じます。またトリニダードからお便りします。では、おやすみなさいませ。

ホームクッキング

チャーター客を下ろした後、ベクイ島に一泊してから、セントビンセント&グレナディーンズ国からの出国手続きをする為に、ユニオンアイランドに戻ってきた。ハッピーアイランドのすぐ前に錨を下ろしてゆっくりした。ランチはありあわせでシンプルに。



夕食も冷蔵庫の中身を片付けるかなと思っていたら、またロブスター売りがやってきた。今回はトベゴキーのビーチでロ ブスター料理を提供しているロメオさんと相棒。彼らは漁師ではないので、お値段もちょっとばかし高い。でも、チャーターも終わったし、自分達も少し贅沢をという事で、値段を交渉して2つ 買った。お互いにハッピー。



プランテーンというバナナの仲間のスナックが残っていたので、アボカドでワカモレを作ってミニアペタイザー。



ロブスターは両方茹でてそのひとつをシェアー。タロイモとジャガイモを合わせたような食感の良いブレッドフルーツとインゲンを添えてこちらもシンプル。









まだハイシーズンに入らないので、小さなハッピーアイランドは静かです。後ろの島はプライベートアイランドのPalm Island。グレナディーンズは魅力的な島がいっぱいです。


リッチ&フェーマスの島、Mustique島

10年来、訪れてみたいと思いながらその機会がなかったムスティーク島に先週初めて行った。ベクイ島とカヌアン島の間にあり距離的には近いが、その両方の島からは風上に位置するのでセーリングするにはちょっと難儀の島。それにいつもスケジュールに追われていてなかなかその機会が無かった。今回チャーター客がそこへ行きたいと言った時は、丁度凪ぎで機走で難なく行く事ができた。夏はハリーケーンに脅かされるものの、こういうメリットもある。

ムスティークは有名人のホリデーハウスがある事で知られている。イギリスの王室、ミック・ジャガー、デービッド・ボーイ、トミー・ヒルフィガーなどどいったリッチ&フェーマスが休暇を過ごす島なので、他の島では簡単に手に入らないようなアルコール類なども揃っている。そして値段も少し高めである。私達のゲストはタクシーで1時間程島内のツァーに出かけた。大きな家が90軒ほどしかなく、それぞれが豪華な造りだったらしい。彼らが言うには、それぞれの家の管理をしている人達の住まいもなかなか立派だったそうです。

他のカリブ海の島と違って、ちゃんとハーバーマスターもいました。このプライベートアイランドでは、ムスティーク・カンパニーという会社がいろいろと仕切っていうようです。立ち寄るヨットは、Britannia Bayにしか停泊できず、それも70フィートまでの船の投錨は禁止されていて、75ドルを支払って30個あるモアリングブイのひとつに係留する。75ドルは高いけれど、3泊までできるのでそれなりの料金設定ではある。ただし1泊でも料金は同じ。私達は1泊しかしなかったので割高ですね。それでも、一度は訪れて見る価値のある素晴らしい景色でした。

漁師の船もどことなく高級感が。。



船から見た家




島に一軒あるビーチバー&グリル、Basil's
オーナーのBasilさん。毎年バリ島に行くそうです。


スーパーマーケットも立派
野菜スタンドは残念ながら閉まっていた。



Mustiqueを日本語で何と言うのか検索したら以下のサイトに行き当たった。
<人里離れた高級アイランドリゾート、1位はムスティーク島>

何と、私とボブは1位から3位までと10位の計4島を訪れた事になります。悪くない人生じゃん!と二人で顔を見合わせました。

Thursday, September 13, 2012

HappyアイランドでHappyバースデー

チャーターが始まれば、オーナーとのいざこざも取りあえず棚上げにし、ゲスト達に楽しんでもらえるよう全力を尽くすようにしている。実際、眼の前の事で頭と身体をフル回転させるので、他の事は考える時間がない。それはある意味良い事である。それに今回のゲスト達はこの一週間で両親の50回目の結婚記念日、お母さんの誕生日、お姉さんの誕生日を祝うとの事。聞けば、結婚記念日は既に祝っているし、お姉さんの誕生日も来月の半ばだと言う。実際にはお母さんの誕生日だけがチャーター中にあるのに、まぁ全部まとめて祝いたいらしい。こっちは大変なんだけどね。お陰で2回も誕生日のシャンペンでお祝いでした。

お母さんの誕生日には、たまたま9月1日から解禁になったロブスターを売りに来たので、急遽ロブスターランチにする事にした。そして、ボブのアイディアで皆にサープライズでハッピーアイランドで貸し切りパーティーをやる事になった。ハッピーアイランドは珊瑚礁が盛り上がった岩場に半ば人工的に作られた住居を兼ねたバー&グリルのある小さな島。所在地はセントビンセント&グレナディーンズ国のユニオンアイランド。そこのクリフトンハーバーという湾内にあるので、ディンギーか泳いで行くしかない。12年前に訪れた時は砂地に茅葺きだけのにわか作りのバーだったが、その後一度ハリケーンで流された後、何年もかかって今の立派なハッピーアイランドに生まれ変わったそうだ。島の主、ジャンティの頑張りには脱帽です。バーベキューなどの食事をしたい時は前日の予約が必要だが、今回は何とか頼んでその日のうちにやってくれる事になった。買ったロブスターとお皿や、そしてポテトサラダはこちらで準備した。バターを溶かしたカレー味のグリルロブスターの美味しかった事!彼が作る美味しいラムパンチや他のトロピカルドリンクにゲスト達は大喜びしてくれた。


















向こうに見えるのがHappy Island








Wednesday, September 12, 2012

お金が無い!

昨日、前回のチャーター出発地点のグレナダまで戻ってきた。給油を済ましたら、もう入管のオフィスが閉まる時間だったので、入国手続きは明日の朝やる事にして、セントジョージスの湾でゆっくりと夕陽を眺めながらふたりだけの静かな夕食。それにしても疲れが取れない。溜まった洗濯物をランドリーサービスに出し、ホライゾンヨットチャーターから借りたスタンドアップパドリング一式を返したら、最終目的地のトリニダードは80マイル先だからこの船を下りるまではもう少しの我慢。

チャータークルーとして雇われた過去2年半、いつも苦労したのがお金の事。船のオーナーが自分の懐からお金を手放したくないタイプと判ったのはしばらくしてから。普通、チャータークルーはオーナーからクレジットカードをもらい、それで食料や飲み物の買い出し、必要な部品や修理などのサービスへの支払いをする。ところが、うちのオーナーは何度頼んでもでクレジットカードをくれなかった。理由を訊くと前のキャプテンがカートを使い過ぎたからだと煮え切らない様子で言う。仕方がないので私達のペイパルに入金してもらいそのカードを使っていた。そして各支払いの明細を2週間毎にいちいちオーナーに送るなどどいう面倒くさい事をしていた。これがオーナーのカードなら彼自身がすぐに見る事ができるので、ユーローやイースタンカリビアンドル、トリニダード&トバゴドルなども私達がいちいちドル換算してインボイスを送るなどという馬鹿げた無駄が省ける。

ところが、カードの期限更新が近くなった5月あたりにペイパルからバージン諸島へは新しいカードを送らない事になったとの連絡があった。自分達のクレジットカードを使おうものなら、ただでさえ支払いの遅い彼の事、いつになったら回収できるか空恐ろしい。それで、ペイパルのカードが使えない事を理由に再度クレジットカードを下さいとお願いした。この願いは紆余曲折を経てやっと叶った。それはチャーターを控えてNOと言えず、いやいやながらの決断だったと思う。2年半も真面目に働いてきたのにまだ信用できないと言うなら辞めても構わない心境だった。

が、しかし今回のチャーターでも色々あった。まず、スーパーで大量に買い出しをしていざ支払いという時になってカードが使えないのだ。しょうが無いので自分達のお金で立て替えた。クレジットカード会社に問い合わせると、残高が89ドルしかないとの事。何とオーナーは前回のチャーターで使った分の支払いを滞らせていたのだ。私達への支払いも毎回催促してやっと振り込んでくれると言う始末なのでずっと頭にはきていた。おまけに、今回のチャーターではスタンドアップパドルを借りる時に、1000ドルのディポジットが必要だというのにそのお金もない。結局、借りる時にオフィスからオーナーに電話をしてもらって払ってもらった。その時も担当者がアメリカンエクスプレスは使えないと3回も電話口で言っていたのを聞き、ビザで払えばいいじゃない!とオーナーのけちさには今更ながら呆れてしまった。そんなこんなでチャーターが始まる前から疲れていたのでした。